英国では、医療費に患者の自己負担がありません。

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英国では、医療費に患者の自己負担がありません。政府は専門機関「NICE(ナイス)」に薬や検査の費用対効果を算出させ、公費に見合う効果がなければ税で賄わない決断をします。

 大事なのは、そこで考慮されるのは単に費用ではなく、効率だということです。1人にかかる医療費や薬の値段ではなく、費用に見合う効果の有無。安くても効かなければ意味がないし、高くてもがんが治るなら、みんなで払いましょうということです。

 例えば、乳がんの薬「トラスツズマブ(ハーセプチン)」。日本では薬代が1人年間約320万円かかる。患者負担は高額療養費制度がききますから、もっと安いですが、かなりの医療費です。しかし、この薬でがんの再発が抑制でき、平均して1年数カ月の生存延長が期待できる。NICEの評価では、1QALYが1万8千ポンド。この薬を使えば、追加の1万8千ポンドで健康に1年長く生きるのに相当する価値が得られるという意味です。NICEは「推奨に値する」と結論付けました。見合う効果があるわけです。

 日本では従来、あまり費用対効果を考えず、新薬を公費で賄ってきました。承認された薬は保険適用され、安く使用できる。とても良い仕組みで、一つの理想です。ただ、その場合は生じる医療費をすべて負担しなければならない。自己負担の3割は既に限界ですから、保険料か税金を上げるしかない。「保険料がどんなに上がってもかまわない」とするのは、一つの考え方です。しかし、現実には難しい。技術進歩で医療費は増えている。新薬の効果を考える時期に来ていると思います。(談 福田敬・東京大学准教授)

 

※MSN産経ニュース 2010.6.18 08:12

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