「推奨されない」抗がん剤も

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 英国では、専門機関「NICE(ナイス)」が薬や検査の費用対効果を算出。推奨されたものを公的医療で提供します。ただ、問題もある。推奨されないと、患者が薬を使えなくなるからです。

 日本で保険適用されているベバシズマブ(アバスチン)は、英国では公的医療でカバーされません。NICEが使用を「推奨しない」としたからです。アバスチンは1QALY5万ポンド以上です。

 メーカーはもちろん、患者団体も反対した。やはり効くんです。効かないわけじゃない。ただ、効果が公費医療に値しないのです。

 使用が否定された薬の中には、予後の悪いがんに使われる抗がん剤もあります。確かに、こうした薬をほかの薬と同様に評価するのは難しい。生存期間を数カ月延ばすのに多額の費用がかかる。

 このため、NICEは患者が(1)予後が24カ月未満(2)ほかの治療法がない-などの場合、身体状況が完全でなくても、健康とみなして評価するようになりました。こうして、腎細胞がんの治療薬「スニチニブ(スーテント)」は英国でも公費医療になりました。

 また、使用が推奨されなくても、患者が薬を使える仕組みを導入しました。例えば、多発性骨髄腫の薬「ボルテゾミブ(ベルケイド)」は患者が部分的にでも治癒しなければ、メーカーがその分を国に払い戻す。非小細胞肺がんの治療薬「エルロチニブ(タルセバ)」は、「別の抗がん剤と同額程度なら使用を推奨する」としました。

 「効果に比して高すぎる」から超過分をメーカーが払えば、公費医療にするというわけです。(談 福田敬・東京大学准教授)

 

※MSN産経ニュース 2010.6.25 08:30

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